職人の世界

夏休みになり、ヘアーズビットを見学しにくる学生さんが増えてきました。

正直、美容学生が数時間お店を見てわかる部分はせいぜい店とスタッフの『雰囲気』くらいでしょう。
その雰囲気だけで自分たちが働く場所を決めてしまうのは非常に危険だと思う。
深刻な離職率は会社側の運営や方針も重要だけど選ぶ側にも責任を感じてほしいと思っている。
美容学校を卒業する子達は年齢にして20歳。
親に学費を払ってもらって国家試験に合格して晴れて就職する。しかし数ヶ月で仕事を辞めて別の道に進む人達も少なくない。
数百万円と2年間を簡単にドブに捨てないでほしい。

働く人は「美容業界は完全に職人の世界である」と自覚してほしい。
サービス業とかビューティーとかアーティストとかクリエイティブとか綺麗な言葉に惑わされず、ベースはあくまでも技術を売る仕事です。
技術を習得するには反復練習しかありません。わからない事を教えてもらうために先輩に好かれるようにする。
仕事ができてこそ恩返しなんですよ。親にも先輩にもお店にも。もちろんお客様にもね。

出来ない仕事をしているのは誰なのか?それは自分自身。
早く出来るようになる為には練習しかないんです。練習の仕方にはちょっとしたコツがある。
そのコツを教えてくれるのが先輩。決して本や動画を見たからってできるものではありません。

美容学校は生徒を国家試験に合格させるのが仕事であって美容室で活躍できるようには育ててくれません。

美容学校の延長にお店があるなんて思ったら大間違い。またゼロスタート。
でもお店に来たら何も出来ないか?いえ、たくさん出来る事があります。

それは人間性を売ること。

仕事ができないうちは人間性でカバーです。
元気に挨拶して笑顔で接するだけでも立派な仕事です。それだけでもお客様に信頼されます。
「早く私の髪をシャンプーしてね」って言われるかもしれません。

一日仕事をすれば出来ない事をたくさん発見できます。出来ない事をいつまで出来ないままにしておくか?

そう言うときにこそ使うんですよ。
いつやるの?今でしょ(古)

すっかり出て来なくなったこのフレーズはですが僕は昔から即実行派でした。
なぜなら、わからないことや出来ない事をそのまま引きずっていくと心の中にゴミが溜まっていくような気がしたから。うまく表現出来ないけど「やらなきゃやらなきゃ」って思いながら生活するくらいならすぐにやってスッキリしたかった。

寝る前とか起きた直後にドヨ〜ンとした気持ちが大嫌い。

だからすぐに解決する。その繰り返しなんですよね。
嫌な気持ちだから嫌な結果がやってくる。引き寄せの法則ですね。

職人の喜びって仕事が上手にできた時だけじゃないんです。出来ない仕事に取り組んで、もがいてる時も結構楽しかったりする。その時はすごく辛いんだけど、その分出来たときの喜びは大きい。けど振り返ると辛いんだけど楽しいんですよ。

その時に支えになってくれたのが同期や先輩やお客様でした。
今はメールとかラインとかあるから間違っても職人意外のお友達に愚痴をこぼさないで欲しい。

簡単に「辞めちゃえば?」って言われてしまいます。

やっぱり自分の環境ってすごく大切なんだなって振り返ります。
寮生活で過ごした修行時代はそう言う意味で最高でした。

これから美容師になる学生さん達にはそういう厳しさを乗り越えて「美容師やってて良かった」と言ってもらいたいです。